熱血先生の防災授業に感動
授業後の特別寄稿(「授業にインターネット活用の素晴らしさ」)があります。
宮田町の県立鞍手農業高校教諭の澤田憲孝先生は、本HPでも、紹介しています昭和28年大出水や平成11年の大豪雨災害などの写真パネルや証言・感想文(聞き取り調査を中心として)などをもとに、昨年に続いて本年も4月から「産業技術科」の2年生10人対象に、自然災害の怖さとその備えの大切さ、そして農業や土木事業がいかに災害とかかわりがあるかを教えています。 本ページは、平成15年5月30日の授業をもとに作成しています。 |
|
右の写真は、澤田先生が、土を入れた試験管を使って、100mmの雨が降った場合、土がその雨・水を吸い込み、災害を防いでいるかの実験をしているところです。このことによって、農地も大事な防災の役目を果たしていると説明しました。つまり、田んぼや畑、山林の保水能力はダムと同じ力があり農業が防水につながること。だから農業を盛んにし大切にすることは、防災につながると語ってくれました。たしかに、100mmといえば大変な雨量ですが、土壌にその大半が吸収されていく様子を見て、自然災害を防ぐ人の知恵が大切だと感じました。 こうして参観者も、授業の冒頭から、農業の大切さを納得して目からウロコが落ちていくような感じがしていました。 |
本校舎の3階の視聴覚室において、先生の活気ある声が響き、「宮田、若宮は2000年前は海だった。」と古地図(右)などを示しながら授業が進められていました。さらに「こういうところでは、災害が起こりやすい。しかし、人は、生活をせざるを得ない。むしろ大水ごとの豊かに肥えた土壌を利用しての農業が盛んになっていったのだ。 こうして、その長きにわたって私たちの先祖は苦労して、この土地を守り、拓き、豊かになっていったのだ。」たしかな歴史資料を使っての迫力ある授業続きます。 |
|
パソコンとスライドなどを使って写真や地図、天気図などをスクリーンに映し出し、説明が進められました。 |
|
昭和28年の大水害、6月25日〜30日にかけての大雨で洪水や土砂災害が広範囲に起き、九州7県で死者・行方不明者999人、ここ宮田・若宮においても3人の犠牲がありました。その凄さを物語る旧国鉄宮田駅前通りの上写真に、生徒たちは驚きの表情を見せていました。 |
|
左の写真は、現在の役場付近であり、その前の冠水状況です。遠く本城、龍徳方面まで、まるで海のようです。 生徒たちは、自然災害の凄まじさを目の当たりにしました。 |
|
右写真:直方市植木の旧国鉄伊田線鉄橋辺りでしょう。生徒は「あそこが?」一様に信じられないと漏らすほどでした。 |
|
上写真:昭和28年大出水、旧宮田役場前の惨状です。写真の中に登場する警察官・人々の勇気ある行動を切々と先生は語っていました。 |
|
左写真:28大出水を忘れかけてきた頃、つい数年前の平成11年の大豪雨、現代は安全と思っていても、いつ私たちに災害が降りかかるかわからないと説いてありました。 |
|
上写真:宮田と若宮の境にある堤(つつみ・農業用水溜池)の堤防が決壊しました。堤防は壊れないと信じていた生徒たちは驚いているようでした。 |
|
その平成11年の豪雨、一時間に90mm以上の記録(左写真・宮田町役場)を提示して。 |
「だから、土木工事を万能と思わず、水害を経験したお年寄りからも話を聞いて学ぶようにしましょう。その学んだことによって、今後の防災に生かしていってほしい。」と先生は生徒に呼びかけて説得力のある授業を締めくくられました。 |
授業後澤田先生特別寄稿 |
授業に於けるインターネット活用への取り組み (H17.1.10) 前県立鞍手農業高校教諭 澤田憲孝 (寄稿) インターネット「MIYATA ふれあい」(注:本HP)を検索すれば様々な項目がでています。その項目は、歴史・環境・天気・防災・図書館・町の行事・町の広報とのリンク・学校とのリンク・河川関係等様々です。 (なお生徒には資料入手の関係・時間的制約等の関係で宮田町・若宮町、犬鳴川流域を研修対象とした事を理解させた上で授業をすすめました) |
澤田先生が収集された膨大な大水害の写真(西洋紙大にパネル化!)や証言などの資料は、小中学校、公民館などで展示公開されたりしています。どうぞ学校、地域公民館等で大いに利用されたらいかがでしょうか。澤田先生(電話 0949-32-8470)へご相談下さい。 |
※毎日新聞(6/20)を一部参考にしました。