NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」が好評です。前回紹介しました官兵衛の義理の姉で、龍徳の光明寺に墓がある「尼公さん」が登場しました。さらに、若宮八幡宮三十六歌仙絵を描いた岩佐又兵衛の父、荒木村重も重要な役として一翼を担っています。後の黒田二十四騎を構成する家臣も続々登場しています。明朗でリーダー格の栗山善助、槍の名手で大酒飲みの母里太兵衛、ニヒルで冷静沈着な井上九郎右衛門など。
実はこの井上九郎右衛門(之房)の書状が如来田瑞石寺にあるのです。吉田長利との連署書状で、慶長五年に丹山衆中(瑞石寺)に出されたもので、初代藩主長政(甲州)が筑前入国にあたり、領主が変わる旨を伝えた書状です。官兵衛や長政とつながる資料です。次のように書かれています。
「 以上
瑞石寺山中之事
近年可被任法
度候、甲州於入
國者、制札相調
可進之候、其内狼藉之
族候ハゝ、此方可被仰
越候、為其一書如此候
恐惶謹言
井上九郎右衛門
(慶長五年)
十二月二日 之(花押)
吉田六郎大夫(花押)
丹山衆中 」