宮若市学習支援ボランティア事業紹介
〜 コーディネーターとして 〜   


学習支援ボランティア実施状況
期     間 延実施回数 ボランティア延人数 延ボランティア利用者数


平成15年8月1日〜平成16年3月31日  411回 1,049人 11,520人
平成16年4月1日〜平成17年3月31日 1,233回 2,866人 28,393人
平成17年4月1日〜平成18年2月10日 1,398回 2,989人 35,117人


平成18年2月10日 逐次報告します




INDEX




  
左写真:旧宮田市学習支援ボランティア事業における小学校低学年学童保育所における「英語で遊ぼう」
                      

○ 当事業趣旨・概容
宮若市学習支援ボランティア事業にかかわることについて      
                                          本HP担当者
 豊かで活力のある「まち」を築くにあたって、その鍵を握ると考えられる生涯学習社会の形成を進めるためには、ボランティア活動とそれに伴う学習活動が欠かせないものとなってきています。
 そのことを踏まえて、旧宮田町教育委員会は、平成15年7月から、全町内に「学習支援ボランティア」の募集を行い、小中学校などの学習や町民の生涯学習の場に講師として活動するシステムを立ち上げました。
 その学習支援分野も次の別表のように、語学、音楽、舞踊等、24分野と多岐にわたり、平成20年2月現在、個人64名、サークル等が49団体、延人数660名余り、多くのボランティアの方が登録されつつあります。平成15年8月から試行的に実践を進める中で「お互いに教えあい、学びあえる環境づくり」が今の若市にもつくられつつあると実感しているところです。
 このシステムでは、市内の小中学校をはじめ、市内在住・在勤・在学の方で構成する5名以上の団体・施設、地域(公民館や町内会など)は、学習支援ボランティアを利用することができます。発足して4年間余、平成19年度には利用回数2000回余、延約50000名の利用があると予想されます(上写真は、小学校低学年学童保育所での「英語で遊ぼう」授業、左写真は、デイサービスにおける習字の講習、いずれも学習支援ボランティア事業)。
 私が任じられているコーディネーターは、生涯学習の一環として、ボランティア事業がより活発化するよう調整したり、支援したりするような役割をもっています(下図及び表)。そのコーディネーターは、現在、本市に1名だけの配置となっていますが、学校・地域や施設など数百に及ぶ利用対象が考えられ、その訪問だけでも大変なエネルギーを必要とします。尤も、それが消費される度合が大きいほど当事業はより活発に活動しているととらえることができるでしょう。
学習支援ボランティアコーディネーターの役割
○ 役割 
 学習に関して、ボランティアスタッフと利用者・利用団体との様々な事項を調整するとともに、活動希望者の相談にのり活動が実現するための支援を行います。
○ 具体的事項
 ○ 学習支援ボランティア活動の調整・整理を行います。
 ○ 学習支援ボランティアスタッフの確保に努めます。
 ○ 学校・団体・地域における学習支援ボランティア活動のニーズに応えます。
 ○ 行政、活動団体、学校、家庭、地域間のスムーズな学習支援ボランティアの連携を図ります。        

 ○ 市民に学習支援ボランティア活動の理解を図ります。




宮若市学習支援ボランティア事業登録リストの概容(平成20215日現在)
分   類  内     容  登録数
個人(人)  サークル等
英会話・国際交流 基礎英会話、国際交流講話   
歴   史 犬鳴川歴史、貝島炭鉱歴史、郷土史、自然防災  
スポーツ・健康運動 健康体操、ゴルフ、マウンテンバイク、太極拳、柔道、剣道、バスケットボール等
パソコン パソコン操作指導、ネットワーク設定指導  
舞   踊 フラダンス、日本舞踊、演芸、剣舞
着付 着物の着付け
伝承遊具製作 竹細工、お手玉、折紙  
古 文 書 古文書解説  
野外観察 野鳥観察、野外環境改善  
手芸 編物、押し花、古着等リフォーム、飾り物
訓話 生活環境保全、宗教史、人生訓話、生き方講話  
俳句 俳句づくり  
習字 習字、篆刻(てんこく)
音楽  バンド、ピアノ、コカリナ、フルート、トランペット、大正琴、歌唱、琵琶、音楽指揮、カラオケ 11 
手話 手話指導・通訳  
朗読 読み聞かせ、パネルシアター、エプロンシアター
アート 押し花、絵画、イメージ画、絵手紙、篆刻
教育・文化 教育講話、教育実践基礎講話、歌唱講話、図書館教育講話、算盤  
園芸 ガーディニング、盆栽、造園基礎、花木園芸  
社会事情・福祉講話 コミュニケーション講話、社会事情、福祉教育   
将棋 将棋実技  
人形劇 人形劇、パネルシアター、エプロンシアター  
太鼓・三味線 民謡太鼓、太鼓の打ち方  
手品 マジック
合      計(上記のトータルとは異なります) 64人 団体49
 平成20年2月現在 合計は詳細と異なります。 延人数660人

注:氏名入りのリストは、宮若市中央公民館に準備しています。ご相談ください。



 学習支援ボランティア事業 
実践場面紹介
更新日:平成20年2月15日
随時、実施場所・場面を入れ替える予定です。
左:太蔵東区公民館「健康体操」
久野績誉講師のもと、週2回第1・3月曜日10:00〜東区住民対象に行われています。1,2.3・・・・、リズムに乗って、歌に乗って、元気がやってくる・・・。地域にも、私にも。
 
右:宮田北小学校6学年 総合的な学習の時間「コミュニケーションを高めよう」でのリチャード・トラポルドさんと野口律子さん
 社会性を高めるために、外国人から見た宮田町の良さを子どもたちと交換しました。子どもたちが宮田の良さを、山緑の美しさ、くらしやすさなど上げて報告した後、二人のボランティアの方からコメントを頂きました。その後、「今日は普段よりグンと成長しているなと思いました。これが私たちの最も嬉しいことです。」とお褒めの言葉をもらって、子どもたちの顔がほころびました。
左:宮田病院デイサービス暖家 「絵手紙」づくり学習における90歳の方の作品
 「九十の年の手ならいにも春が来た」と90歳の方の「絵手紙づくり学習」での見事な作品です。90歳にして初めて絵手紙のお勉強!左のような見事な作品、そしてその句!! この90歳にして初めて学んだ「絵手紙」、こうして美しくつくれた感動がこみ上げてくる・・。うれしさを唄っています。
 まことの生涯学習にふれた私たちの感動・・。  
右:照陽園 「日本舞踊」ボランティア 聖蘭社中  英 聖蘭(はなぶさせいらん)さん
 信じられますか。英聖蘭さん80歳! 「矢切の渡し」の名曲に乗って、妖麗なる踊りに、車椅子の入園者の方々は、力一杯の拍手をおくりました。 英さんは、みなさんに「私は、みなさんのお陰でこうして元気溌剌としています。みなさんにも頑張って過ごして欲しいです」

 
左:宮田学童保育所1学年〜3学年  「英語で遊ぼう」ボランティア野口律子氏
 
 「How are you?」「I'm fine」まあよく言えるね。あなたたち 感心しました。私の発音する際によく私の口を見ていました。えらいよ。それが最も大事ね・・・・」    
右:宮田学園「観月会」において、親子ボランティア楽器演奏披露
 
 お母さんがキーボード、ご子息がトランペット。夜空に美しい音色が響きました。学園生もうっとり・・・。    
左:緑丘幼稚園生がボランティアのお家を訪問
 
 「サンタクロースがやってきました。ほらね、こんな赤い頭巾をかぶってね。そこでこんな絵本をおくりました。では読んでみますよ。・・・・」子どもたちは夢中になって聞きました。暖かいこたつに入りながら。
右:宮田病院デイケアにおける講話「炭坑王 貝島太助物語」
 宮田町石炭記念館長 榎田 崇氏による貝島炭坑歴史講話シリーズ第2回 …明治から昭和までの宮田町の産業基盤を築いた貝島炭坑の創業主貝島太助社長の物語。貧乏で生活の糧をさがして過ごした少年時代、そこにたくましい貝島太助の原点を見る思いがしましたとある老人は目頭を押さえました。
左:宮田東小学校3学年「野鳥観察」…ボランティア春田正利氏
 11月半ば、やや暖かい明るい日射しの中、天照神社にやってきました。子どもたちは「あのカラスは何という鳥ですか」「あれは冬に主にやってくるカラスです」「赤い尾の小鳥はこの辺りにいますか」・・>などのボランティアの方と会話が弾みます。
右:宮田小学校学童保育所1〜3学年「読み聞かせ」…ボランティア大西美恵子さん
 宮田学童保育所で読み聞かせボランティアに引きつけられた子どもたちは「私たちにもやらせて」といって、長い童話である「こぶとりじいさん」を自ら進んで、友達に読み聞かせし始めました。
 ボランティアの大西さんは「これこそ、共に学びあうという学習支援ボランティアのねらいとするところ」と感嘆しきりでした。
左:宮田病院デイケアにおいて、雛祭にちなんで犬鳴句会の俳句指導が行われました。
 一通りの「俳句のつくりかた」の指導が左写真のように進められました。その後、通苑者の77歳を過ぎて初めて俳句を作ろうとしている人から「雛かざる 子にも孫にも 恵まれず」さらに孫を思う人から「日に映える 新入生の ランドセル」などつぎつぎとみずみずしい句が発表され、先生もたじたじでした。季語の質問も相次ぎ、先生が「新入生は季語です。しかし、季語を二つ入れ込まないようにしましょう」とかの基礎的な指導がありました。今後このような研修を続けようとする要望がありました。




ボランティア活動での声
ボランティア 利用者側
  • 事前に準備したり、後で整理したりはたしかに大変ですけど、説明したり演じたりしているときの緊張感、そして利用者の人々の眼差しを感じることによって、皆様から私に元気をいただいています。このようなシステムは素晴らしいと思っています。(アート分野担当者79歳)
  • 子どもたちの澄んだ目につい一生懸命になります。話しかけたり、読んでやったりするうちに私の人生をこのことに尽くしたいと思ってしまうほどのめり込みます。そのことによってつい羽目を外すようなことをしないように努めないといけません。よろしく利用者側の方も私を注意してください。(読み聞かせ担当者54歳)
  • 私は成長したいのです。素晴らしい歌唱を聴いたらそれができるようになりたいし、パソコン操作の巧みさを見たらそれに近づきたいのです。私は頑張ります。今日こうして披露をしましたけど、この次来るときはもっと上手になってきます。みなさん元気をありがとう。(歌唱担当者56歳)
  • 教えるときのコツは第1に「ほめること」、第2も「ほめること」そして「認めること」だと、どなたかに聞きました。まさにこのボランティア活動をしているとそう実感しました。この齢(よわい)になりほんとうにありがとうございます。すべての人々に感謝です。(習字指導担当者76歳)
  • まずは、安全で、そしてボランティアの方も、ボランティアを受ける人も互いに満たされる時間になりますよう願っています。(病院デイサービス関係者)
  • 学校で真剣に子どもたちに教えようとしてある姿は、慈愛に満ちています。私たち教師は、ボランティアの方の利用をこばみがちでした。何か得るものがたくさんあるようで、私たちも勉強になります。(小学校教師)
  • この施設に通ってある人々は、いろんな障害をもってきてあります。お教えになるとき知的なことや作業するときについていけない場合が多々あることでしょう。そのような場合、是非「お褒め」の言葉や「励まし」の言葉を挟みながら進めてください。(グループホーム担当者)


平成15年度アンケートからの声

主 な 報 告 内 容(原文のまま)

 ◇ボランティア実践者
1  大変良いボランティアの実践をしていただいていると思います。これからもよろしくお願いします。
2  少しでも喜んで頂くことが嬉しく思いますし、自分の生きがいにもなると感じております。
3  生活にメリハリができ、勉強になります。
4  人のためにやるのではなく、自分のためになっています。多くの人との出会いに感謝しています。
5  ボランティアをしているが、人との出会い、自分にプラスになることが多いです。
6  自分自身の勉強をさせて頂いています。
7  人のためにやっているつもりが、実は自分自身のために、非常に良かったというのが感想です。

 ◇ボランティア利用者側
1 コーディネーターの方がいて頂けることで大変助かり有り難く思っています。利用者の方も大変喜ばれて、また、学習意欲も旺盛で楽しみにされています。これからもよろしくお願いします。
2  いつもありがとうございます。
3  施設側も、ボランティアもお互いに良い意味での刺激になり、交流(コミュニケーション)を図るのにも良い効果があると思います。
4  毎日利用させて頂いていますが、施設を利用していただいている利用者からも、満足な声がよく聞かれます。演出等の内容によっては、涙される方もいます。私たちスタッフが与えることができない喜びを皆様からも利用者へ頂いていると感謝しています。これからもよろしくお願いします。
5  この事業の存在のお陰で、宮田町のボランティアの活動がより広くより深いものに育ちつつあると思います。是非継続して利用させていただきたいと思います。宜敷くお願いします。
6  地域の方々と、ふれあうことができ、大変良いと思っています。感謝しています。今後も宜敷お願いします。
7  取組の期間が短かったので今後の状況を見ないとわからない。ボランティアのコーディネーターに際しては、他地域までのネットワークを広げて欲しい。
8  ボランティアリストが充実し、それを見ながら、GTをお願いすることができました。今後は、年度当初に計画を立て、見通しをもってボランティア事業にかかわっていきたいと思います。宜敷お願いします。
9  熱意に溢れた学習支援ボランティアの皆様方のお陰で教育効果を上げることができました。またコーディネーターの先生のご配慮で、計画、実施、依頼がスムーズにできました。
10  もっといろいろ活用したいです。平和学習の講師や自分の職業のことを話してくれる人、性教育にくわしい人がいてくれたらありがとうございます。
11  体を動かす体操を増やしてほしい
12 年度途中の事業紹介であったので、年間計画には入れていなかったものの、ボランティアの方々へ急な要請にもかかわらず、とても良いお話を聞かせて頂き、感謝している。現場サイドの望みを聞き入れてくださったお陰で充実した学習が持てたと思っている。手話通訳や手話の見方がこの機会で変わったり、明るいものになることを考えれば、このようなボランティアやコーディネーターの役割は、とても大きいと思った。
13 コーディネートして頂けるお陰で活用が進んだ。
14 コーディネーターから学校にたびたび新たな情報を知らせて頂いたことがとても有り難かったです。
15 今後も学校と連携をとって頂き充実した学習が進められるようご協力をお願いします。



参考資料
宮若市学習支援ボランティア事業実施要項
(宮若市教育委員会作成)
(目  的)
 学習支援ボランティア事業とは、様々な生活の中で培ってきた豊かな経験・知識・技能や生涯学習の一環として実施している高齢者大学さわやか学園、公民館講座、公民館サークルで学んだ成果をボランティアの精神で、小中学校等の学習や町民の生涯学習に役立てたいと考えている地域の方々(「学習支援ボランティア」と呼びます。)に登録していただき、小中学校や団体等に講師として紹介するなど登録者の活躍の場を積極的に提供することにより、お互いが教えあい、学びあえる環境を整備し、市民の生涯学習の一層の振興を図ることを目的としている。

(事業実施主体)
宮若市教育委員会(社会教育課指導係)

(学習支援ボランティア)
1 登録要件 次の要件を満たす個人又は団体・サークルで、資格、経歴、活動分野は問わない。
@ 生涯学習活動に深い理解と熱意を持ち、かつ、学習支援ボランティアとして活動する意欲のある個人又は団体・サークル
A 原則として18歳以上の個人又は18歳以上の方で構成する団体・サークル
B 住所要件なし
C 登録の有効期間は、1年間とし、再登録することができる。
2 登録分野
  ・語学 ・美術 ・音楽 ・舞踊 ・料理 ・被服 ・福祉 ・園芸
  ・スポーツレクリエーション ・工芸 ・歴史文化 ・伝承 ・パソコン
  ・自然科学 ・将棋、囲碁 ・その他
3 謝礼、報酬
  この事業が、市の生涯学習活動を支援することで自分自身も高めようとすることから、支援活動の謝礼は、原則無料とする。
4 災害補償
  実施主体である教育委員会において、登録者に対しボランティア保険等の範囲内で補償する。
5 登録者の研修会等
  本事業の制度を登録者に周知させ、ボランティア相互の意見交換を図るため、研修又は説明会を開催する。
6 登録者の抹消
  実施主体は、この事業を利用して営利・政治・宗教活動を行おうとする者について、登録を抹消することができる。
(学習支援ボランティアコーディネーター)
  ボランティアと利用者・利用団体との様々な事項を調整するため、及び活動希望者の相談にのり、活動が実現するための支援を行うため学習支援ボランティアコーディネーター(以下コーディネーター」という。)を中央公民館内に設置する。

  コーディネーターの主な業務は次のとおりとする。
1 ボランティア団体、活動プログラム、人材などの情報収集や整理を行う。
2 地域の課題、ボランティア活動のニーズの把握、ボランティアの相談にのるなど地域住民や利用者・利用団体などが行う活動の企画や実施に関する相談の対応。
3 ボランティア人材の確保、活動団体の発掘、活動の場の開拓。
4 広報や普及宣伝活動。
5 ボランティアの研修機会の提供。
6 行政、活動団体、学校、家庭、地域間のネットワークづくり。
7 記録、統計。
8 研修会・説明会の企画、実施。

(利用者、利用団体)
1 利用資格
  市内の小中学校をはじめ、市内在住・在勤・在学の方で構成する5名以上の団体
2 謝礼等
  学習支援ボランティアを利用した場合の謝礼は、原則無料とする。
  ただし、教材費等学習支援に必要な経費のみ、利用した団体等の負担とする。
3 申し込み・利用方法
  学習支援ボランティアの利用する場合は、所定の用紙に記入のうえ、コーディネーターへ申し込みをするものとする。
  また、利用にあたっては、コーディネーター、学習支援ボランティアに対し、学習の趣旨、方法、対象者等事前説明を行い相互理解の下、利用するものとする。
4 利用結果の報告
  学習支援ボランティアを利用した場合、所定の用紙に基づき、利用結果を報告しなければならない。


この事業が始まって、やっと軌道に乗り始めたかのように見えますが、
まだまだ手探りの状況が続いています。

全国の皆さんからも、いろんなご意見をお願いします。

今後このページの充実化をはかる所存です。よろしく。